歯が浮くようなセリフも、ありきたりすぎるような愛の言葉も。




全部全部、お前の為だけにあったんだ、本当は。
こんなこと、信じてもらえないんだろうけど。(でも、ウソは一つもない)




あいしてる
あいしてる




愛してるんだ、お前だけを。








Love Sick! Medicine6:マリートセンセーション!








「―――――――それでなんでウチに来るんですかディーノさん!」




ツナの言葉に、オレはただただ苦笑いを返す。
困った顔のツナの隣で、リボーンが笑ったのが見えた。(そんな顔されなくても、自分で分かってる)




「ってゆーか、なんでそんなこと言ったんですか?
さんの自慢、あんなにしてたじゃないですか」




「あー、いや、なんつーか、」




ふと、の声が脳裏を過ぎった。
思わず、拳をぎゅっと握る。




『「どうも、ディーノの妻です……一応」としか言えないような仲なんですよ、10代目』




同情でもなんでも、さえ隣にいてくれればよかった。
でも、だんだん欲が出てきて、一緒にいるだけじゃなくて、愛して欲しいと思うようになった。
浮気ばっかして、それがにバレる度、アイツが本気で怒ってくれるのが嬉しかった。


離婚、と言われると背中がひやっとして、そんなに謝るくらいなら浮気なんかしなきゃいいのにってくらい、謝って謝って。
仕方ない、次やったら今度こそ離婚だって、をそこまで困らせて、
でもそれでも見捨てたりしない、そういう優しさに甘えて、ずっと苦しめてきたんだ。


オレの気持ちを押しつけるだけ押しつけて、の本音を聞いた途端、突き放した。


手に入らないからって、散々振り回してたアイツに、無責任なことを言った。
ひとり、知り合いなんか誰もいないイタリアに嫁いできて、ファミリーの為、働いてくれたアイツに。




思い出してみろ、オレみたいなどうしょもねー情けない男が、初めて本気で欲しいって思ったんじゃなかったのか?




2年前、イタリアに観光に来ていたに、オレが声をかけたのが始まりだった。
簡単な話、一目惚れ、とかいうヤツだったわけだ。(今でも、忘れない)




ジャッポネーゼにしては、色素の薄い髪が、印象的だった。




そして、優しく細められる瞳が、どうしても気になって。
気がついた時にはもう、声をかけていた。


好きで好きで、仕方ない。
一瞬で、彼女以外は何もいらないと、そう思った。




「そんなんだから逃げられんだ、へなちょこ」
「ちょ、リボーン!」




「つまらねー小細工ばっかしてっからこーなったんだ。一人前になったつもりかへなちょこめ。
好きなら好きで、どうしてそれをに言ってやんなかった。
他のくだらねー女にくせーセリフ吐くような口は、オレが今すぐぶち抜いてやってもいいぞ」




銃口が、真っ直ぐオレに向けられている。(ツナの怒りまじりの慌てた声が、耳を擦り抜けていく)




「ホレてホレて仕方ねーから、他の男に盗られたくねーから、会ったその日にプロポーズしたんだろ。
よく考えてみろ。旅行先で声をかけてきた男に、ほどの女がそう簡単に引っかかるか?
プロポーズなんて受けるか?へなちょこ、よく考えてみやがれ」




オメーの女は、その程度の女だったのか?




違う。
違う。
違う。






























は、そんな、簡単で、生易しい女じゃない。(だからオレは、彼女の気を少しでも引こうと、必死だった)
































「、を、迎えに行く」































「お前みたいなへなちょこを受け入れてくれんのは、以外にいねーだろ」
「きちんと話せば、さんも帰ってきてくれますよ、きっと(ちゃ、ちゃんと解決の方向へに向かってる……?)」


「あぁ、分かってる。……迷惑かけちまって悪いな、ツナ」
「え、あ、いえ!とんでもないです!(っていうか本音夫婦ゲンカにオレを巻き込まないでくれよーっ!)」




決意を固めて、立ち上がった瞬間。




「、ボス!」
「ロマーリオ、外で待ってろっつっただろ?」




























「それどころじゃねぇ!の姐さんが攫われたんだ!」
































***


なんか考えてたのと全然違くなりました。

っつか誘拐!?(なんで?!)
みたいな感じです。

次回は、うーん、そうだな、せっかくジャッポーネ編なので、あの人と絡ませれたらいいな、なんて。
私的、ディーノさんといえば!って感じなのでね。


ちなみにマリートとは:夫(イタリア語)




top    next→Medicine7:誘拐大脱走!