甘えてくれることが、嬉しいの。




あたしの存在だけに満たされるあなたが、愛しいの。
あたしの存在だけを愛してると言うあなたが、恋しいの。









甘い余韻を残す、ディーノの声。
この声が放つあたしの名前は、なんだか特別に聞こえる。(これだけで、幸せな気持ちになれる)




「まだ寝てたら?最近忙しかったんだし、今日くらいゆっくりした方がいいわ」
「久し振りの休みだし、次にいつ休み取れるか分かんねーだろ?だから出かけようぜ」
「、ディーノ、」




あなたの優しさも、あなたの照れた顔も、全部が大切なの。
ねぇディーノ、あなたは笑うかもしれないけど、あたし、幸せよ。










幸せすぎて怖いくらい、幸せよ。








Love Sick! Medicine14:パニックスタート!









「なんでも好きなモン買ってやっから、イイの見つけたらすぐ言えよ」










「いいわよ別に。今は特に欲しいものなんてないもの」
「そんなこと言うなよ。ここは素直に甘えるとこだぜ?」








多分、というか、絶対。
ディーノは、さっきあたしが露店で指輪を見てたことに、気づいてる。








「……意地の悪い人は、嫌いだわ」
「なんのことだ?」






意味深な笑みに、少しどきりとしながら、あたしはディーノの腕に自分の腕を絡めた。







「………、婚約指輪もあるし、結婚指輪もあるじゃない」
「それとこれとは別モンだ。あーいうのはファッションの一部。婚約指輪とかコレは、誓いの証」







そう言ってディーノは、あたしの左手の薬指に、そっとキスをした。(っ、路上でこの人は……!)








「……っ、こんな人の多い所で、あなた何を考えてるんですか!?」
「わ、悪かったって!ごめん調子に乗ったっ!」







顔に集まった熱を意識しないように、ぎゅっと目を閉じた。(顔が、熱い)








「……、、」
「っ、」








さらさらとしたディーノの髪が、首筋に触れる。(、動悸が、止まらない、)







「、怒ったのか?」
「ちが、」








「………ごめんな、」









優しいところが、あなたの長所だけれど。
優しいところが、あなたの唯一の短所。(怒ってなんか、ないのに)









「……、なら、さっきの指輪、お詫びに買ってくれますか?」









勢いよく顔を上げて、花が咲いたように、笑う。(この、笑顔が、)
あたしも嬉しくなって、自然と笑みが浮かんでくる。









「もちろん!じゃあ早く戻ろうぜ。他のヤツに買われちゃマズイもんなっ!」










あたしに手を差し出しながら、ディーノはもう走り出そうとしてる。(小さい子どもみたいだわ)
こういう、子ども心を忘れていない純粋さも、あたしを惹きつけて止まないのかもしれない。











「、?どーした?」
「なんでもないわ」












小さく笑って、ディーノの手を取った。
視線がぶつかると、どちらからともなく笑って、大きく一歩を踏み出した。(瞬間、)


























「久し振り、







































***


2章ということで、シリーズ名はパニックハリケーン!

今回はちょっと短めですが、次からはもう少しボリュームのある話にしたいです;
ラストに現れた人物こそ、今回の二人の試練!
何がどうなって、誰がどう動くのか。
出演キャラにはそれぞれの見せ場を作るつもりなので、どうぞ応援よろしくお願いいたします。
ご意見、ご感想、誤字脱字等のご指摘も、どんどんお願いいたします!


それでは、次回をお楽しみ?に!




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