かちんときたわ、かちんと。
もう絶対許さない。(そっちがその気なら、いいわ、上等よ)
もうキレた。(女の恐ろしさを知るがいいわ)
Love
Sick!Medicine13:合コン!ボーリング クレル!
ボンゴレの10代目からのお呼び出しっていうから、ダダこねるディーノを空港まで送ったのに。
行きたくないって言うディーノに、キス、までしたのに。
ちゃんと仕事したらご褒美が欲しいって言うディーノに、なんでも好きなものあげようと思ってたのに。
「………なのに、これは一体どういうことなのかしら。ねぇロマーリオ、連絡受けたのあなたよね?」
にーっこり笑って言うと、ロマーリオはふっと目を逸らした。(うふふ、かっちーん)
あたしの煮えたぎる怒りに気づいたのか、気まずそうに口を開こうとしてる。(そうよさっさと言いなさい)
「ど、どういうことかは、お、俺もさっぱりなんだ姐さん。そ、そういう用とは言ってなかったし……。
ま、まぁ、ハッキリしてんのは、その二人より姐さんのがイイ女ってことだな……、は、はは、」
「うふふ、あたしがいつそんなこと聞いたの?ロマーリオ」
「き、聞いてないな、」
「仕事とかなんとかって言って、さっさとディーノに連絡入れて」
事の始まりは、あたしのケータイに送られてきた1件のメール。
に、添付された画像ファイル。
女二人に抱きつかれてる、ディーノの。
日本に行くのは仕事でしょ?
しかもボンゴレの10代目からのお呼び出しなんでしょ?
なのになんで女と遊んでんのよ!(どういう神経してんの?信じらんない!)
あれから、少しは女遊びしなくなったと思ったのに。
少しは、あたしのことだけ考えてくれるようになったって、そういう風に、思ってた、のに。
「……もうマジでキレた」
こうなったら離婚だって構わないわ。
そうよ、そんなに他の女がいいならそっちにいけばいいのよ!(さっさと今すぐこの瞬間に!)
「……でも、離婚する前に一発殴んなきゃ気が済まない」
***
「!(なんだ?ロマーリオか)」
通話ボタンを押すと、切羽詰ったロマーリオの声。
いつもの落ち着きがない。
【ト、トラダートがまた動き出したみてぇだ……、あー、なんか色々マズイことになってんだ、】
「なに!それは本当かロマーリオ」
【う、ウソで言えることじゃねーだろ、こんなこと……(わ、悪いボス!)】
通話終了ボタンを押して、ケータイをジャケットのポケットに突っ込む。
「すまんツナ!急な仕事が入った!この埋め合わせはまたする!!」
のことで、キツく絞ったのにな。(くそ、)
トラダートファミリー、か。
このまま野放しにはしとけねーな。
***
「―――――――――――来た」
バタバタと廊下を走ってくる音。(あ、コケた)
あたしは深呼吸して、もう一度あの画像ファイルを開いた。(何よ、デレデレしちゃって)
ふん、覚悟なさいよ、ディーノ。
「っはぁ、っ、、ロマー、リオは、」
「全員夜まで帰りません」
「なっ、お前今どういう時か分かってんのか!?」
「分かってますよ。あなたがどれだけ最低な男か、それをあなた自身に理解していただく時です」
何よその顔。(は?みたいな。……ムカつく)
とぼけたって、証拠があるんだから。(しかも今回はあたし本気でキレてるんだから!)
「、、どうし「これ、なんですか?」
ケータイを渡すと、ディーノは首を傾げた。(は?ありえない。とぼける気?)
しかも何、これがどうしたですって?(浮気の証拠よ見て分かんないの!?)
「こんなのいつ撮られてたんだ?にしてもよく撮れ―――――――っ、ってぇ、」
乾いた音の大きさだけ、あたしの手のひらも痛んだ。(ひりひり、する、)
あぁ、ちょっとマズイわ、なんだか。
泣きそう。
「ちょ、おい、どうしたんだよ、」
「っ触らないで!……、あたし以外の女に触った手で、触んない、で、」
肩に触れようとしたディーノの手を振り払うと、なぜか、胸が痛んだ。(なぜか、なんて、知ってるのに)
「……泣いて、るのか?」
「泣いてません。………あたし、あなたみたいな人とは一緒にいたくないです。離婚して下さい」
「ちょっと待て。どういうことか説明しろ」
なんで、ディーノは平気なの?(信じらんない、)
なんで、怒ってるのよ。(怒りたいのは、こっちの方よ、)
「、浮気、もうしないって言ったじゃない!………っ、ウソつきっ、」
涙が、止まらない。
悔しくて悔しくて、止まらない。
これは、悲しいからじゃない。(ウソを吐かれて、浮気、されて、悲しいからじゃ、ない)
「……話を聞いてくれ」
「何を聞けって言うの!?こんな、こんなっ、写真、まで……、っ、」
「………ごめん。言い訳は、しねーから、」
「も、許さな、って、決めた、」
「…………うん、許さなくていいから、」
「………、別れる、」
「…………………それは、ダメだな」
「………、どこにも、行かないで、」
ディーノの首に、腕を回す。(……女物の香水の匂い、)
ディーノの腕が、あたしの腰に回った。(なんで、あたしじゃダメなの?)
「ディーノ、」
「ん、」
「今日は、ずっと、一緒にいて、」
ぐっと、抱き上げてくれた。
両手を肩に置いて、そっと額にキスする。(あたしの腰を持ってる手に、力が入った)
「ずっと、離れないで、」
「ん、の傍にいる」
今日だけ独占させてくれたら、許してあげないこともないわ。(多分、ね、)
もちろん、あの女にしてあげたこと以上のこと、あたしにしてくれなくちゃダメだけど。(当然だわ)
だって、あなたの全部は、あたしのものだもの。(そしてもちろん、あたしの全部はあなたのもの)
***
ラブラブ企画第2弾笑。
内心ディーノ氏デレデレと思われる。
原作合コンネタですが、色んなツッコミはなしな方向で笑。
リコピンとかが香水つけてるのか、とかそういうのはナシな方向で。
ヒロインがリコピンやマユマユに危機感を抱くのか、みたいなのもナシな方向で。
あれですよ、愛は盲目なんです。(もうお前消し飛べ)
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