けだるい感覚が、身体中から抜けない。(抜けて欲しくもない、けれど)




隣で眠る人に、そっと視線を向けた。
金色の髪が、窓から差し込んでくる光に透けて、きらきら光っている。




「……ディーノ、」




シーツから香る甘い匂いに、口元が緩んだ。
素肌に触れて、さっと溶けるようなこの時間を、もう少しだけ楽しんでみるのもいいかもしれない。




「ん、」




眩しそうに眉を寄せたディーノの額に、そっと唇を落とす。
緩やかなカーブを描く口元に気づくのは、もう少しあとの話。




Love Sick!Medicine11:さぁ、いざ行かん!愛の巣へ?




「でも、よかったです。さんが無事で」




そう言って笑う10代目に、あたしは深く頭を下げた。(ご迷惑をおかけしました、と)
頭の上で、慌てたような声が聞こえたけど、あたしはそんなの構わなかった。




「お前が飛び降りたってビルを特定できた時のディーノの慌てぶりは笑えたぞ。
跳ね馬ディーノじゃなく、慌てんぼディーノだったな。な、ツナ」


「え、あぁ、うん、あんなディーノさん初めて見――――――ってお前そういう言い方すんなよ!
空気読めっつの!!あー、もう!すみません、ディーノさん!おい、お前もなんか言えよ!!」




リボーンさんの言葉に、はっと顔を上げると、ディーノが気まずそうに笑っていた。




「それで玄関向かったはいいんだけどな、慌てすぎてコケてやがんだ。笑え」
「リボーン!いい加減にしろっつーのっ!」





思わず、声を漏らした笑ってしまった。(ヤバ、空気読めてない?)





「、ごめんなさい、なんだか、ちょっと嬉しくて、」
「っ、……?」




「だって、あたしの為にそんなに慌ててくれたんでしょ?嬉しくないわけないじゃない。
……そっか、それであの時、あそこにいたのね。ビルに向かう、途中、だったんだ、」




あたしの名前を、叫ぶように呼んだディーノの顔が、ふっと脳裏を掠めた。
慌てた、顔。


あたしを探す為に、あんなに急いでくれたのかと思うと、嬉しくて、嬉しくて。
それと同時に、幸せだって、そう思う。




「、、」
「……、ディー、ノ、」




「(え、ちょっと待ってよ!何このピンク色っぽい雰囲気は!!)」
「おい、イチャつくなら飛行機の中でにしろ」
「それもアウトじゃないー!?」




絡んだ視線を無理矢理外して、10代目とリボーンさんに最後の挨拶をした。(頬に、キス)




「じゃ、じゃあ、お、お元気で……っ(ディーノさんめっちゃこっち睨んでるー!)」
「ディーノに飽きたらオレのところにこい。なら一番にしてやるぞ」
「おまっ、余計なこと言うなよバカーっ!(ディーノさんーっ!!)」




ボンゴレ10代目は、器の大きな方だ。
未来のボンゴレも安泰だと思う。(こんな方こそ、ボスにならなくちゃいけないわ)




「ボス、姐さん、そろそろ時間だ」




ロマーリオの声に振り返って、短く返事をする。
ディーノの指先が、あたしの指先にそっと触れた。




「……じゃ、じゃあ、行くか、」
「………はい」



































たまには、恋人同士みたいに手を繋ぐのも、悪くはない、かもね。(なんて、)




















































***


※前回書き忘れてたんですが、ラクリメというのはイタリア語で涙、らしいです


今回はちょっと短めに。
これでジャッポーネ編終了です!


さて、お次は短編っぽい感じのショートストーリー。
ちょこっとラブラブしてもらいたいと思います笑。


次の試練に向けて……!(なんかやな言い方ーっ!byツナ)




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