あの日、お前が断った理由、オレ、知ってるんだ。








好きだって言ったら、お前は断るって知ってて、あの日、オレは言ったんだ。
その先ずっと、お前が望む「オレ」でいる代わりに。


でもな、
お前、なんも分かってねーよ。








オレは、ずっと、お前だけが好きなんだ。








04:気持ち








「、ごめんね、たーくん、」







何もかも知ってるオレにとって、それは、何に対する謝罪か、よく分からなかった。
でも、の中では、オレは何も知らないわけだから、胸を貸したことに対してだと取っておく。






「何言ってんだよ。オレ達の仲だろ?」






自分で言って、不愉快だ。
「オレ達の仲」って、一体どんな仲だよ。










オレはあの日よりも、もっと前から、「幼馴染」なんて、思ってないのに。










「そう、だよね」
「おぅ」









なんでこうも、うまくいかないんだろう。










オレはが好きで、も、オレが好き。
なんの問題も、ねーのに。












「………、キョーヤ先輩は、何も悪くないのに、わたし、最低だよね」














は、1年の時から風紀委員だ。
ヒバリに、誘われて。


オレから言わせてもらえば、あれは勧誘じゃなく、脅しだ。
大勢の男で、たった一人の女の子を囲って。




助けようとした時には、もう手遅れだった。
1年の時は、違うクラスだったせいもあって、騒ぎを聞いて、オレが行った時には、はもう応接室。
あの時程の後悔は、後にも先にも、きっとない。







「……、でもっ、た、たーくんとのことを、人に言われるのは、嫌だったの、っ」







みるみる、涙が溜まっていく。
は昔から、泣き虫だ。







「うん、」







ヒバリが、に対して、どういう感情を抱いていようと、オレには関係ない。
だっては、今も、泣く程オレが好きなんだ。
他のヤツが入り込める場所なんて、オレ達にはない。















「、わたし、たーくんのこと、」
「………分かってるから、」


































オレ達は、こんなに、お互いのことが好きなのに、どうして、うまくいかないんだろう。

















































































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