や、その、ほら、なんて言うか、さ。
「あんまり京子ちゃん京子ちゃん言ってると、浮気するからね?
ツっくんはあーたーしーの!あたしのダーリンなんだからね?」
うん、分かってるよってか、オレそんなに京子ちゃん京子ちゃん言ってるかなぁ……?
そ、そりゃあ京子ちゃんは初恋の相手だし、今でもかわいいなって思うけど……。
っていうか!それでなんで浮気に繋がるんだよバカ。
はオレの、は、は、っは、はに……って言えるかそんなん!!
ハニーと呼ばないで
「ツっくんは、いっつもいっつも京子ちゃんのことばっか目で追ってる!」
「そんなことないよ!オレは、その、しかっ、」
なんか企んでるようなそのめも、楽しそうなくちびるも、すき、なんだ。
ほんとに、しか見てないんだ。(京子ちゃんじゃない。京子ちゃんの隣にいる、お前を見てるんだ)
周りになんか興味ないんだ。(ほんとオレ、ぶっちゃけ頭おかしいんじゃないのってくらい、)
オレの目には、お前しか、うつってないんだよ。
「ホントにホントに、浮気、しちゃうんだから!」
「っだ、だから!お前はなんでそういう風に考えんだよ!」
「ほらすぐそうやってムキになるじゃん!図星なんでしょどうせー!」
「お、落ち着けよ!さっきから何度も言ってるだろ?!オレは!……そ、その、」
なんで分かんないんだよ!分かれよ!お前オレのかの……か、かっ、かの……って言えるかそんなん!!
「ツっくんはホントにあたしのこと好き?ホントにホントに、大好き?愛してる?」
「え゛!!」
「……なにそのえ゛!!って。なにそれ。……やっぱりより京子ちゃんなんじゃーんっ!!」
や、違うから!
もう、もうホント、なんで分かんないのこの子。
オレはお前がすきだよ!だいすきなんだよ!あいし………、や、それはちょっと、あれかもしんないけど!!
それをさ、なんなんだよお前は。
京子ちゃん京子ちゃんって言ってるのはオレじゃなくてお前だろ!
っかー!あったまくるわホント!!何様?!ねぇ何様?!
「、ご、ごめん、ツっくん、怒った?」
「怒ってるよ!見て分かんない?!」
「ご、ごめんなさい、」
こういうさ、なんか小動物っぽいとことか、ホントに、だいす き、なんだよ。
こういう風に想ってるってこと、なんで分かってくれないんだよ。
オレばっかり、のことすき みたいじゃんか。
「で、も、ツっくん、京子ちゃんのこと、すき だった、」
「……そうだけど、もう前の話だろ?」
「っツっくんには前でも、あたし、には、ちがう、よ、」
「には前じゃなくても、オレには前なの。今は、が好きだ」
なんかさ、ほら、その、オレのため、に、好きな子が泣いてたりって、うれしかったり、すんだな。
が泣いてたら悔しいし、ムカつくし、ってにじゃなくて、オレと、泣かせた原因に。
オレがいるのに、がびーびー泣いたら、なんでなんもしてやれなかったんだって悔しい。
それに、泣かせたやつマジころす。ホントころすってオレ何物騒なこと考えてんの!
や、でも、その、こ、ころすは大げさだけど、そのくらい、ムカ、つくよ。
「じゃあ、あたしへの愛、証明、出来る?」
「(?証明って、)……オレに出来ることなら」
「してくれる?」
「、う、うん、」
「じゃあ、ハニーって愛情込めて言って」
えええ、この子マジで言ってんの?!
っていうか言えるわけないだろそんなは、はっ、はにっ、は……なんてそんなの!!
「や、そ、それはちょっと、」
「どうして言えないの?あたしはいっつも愛情込めて言ってるよね?ダーリンって言ってるよね?」
「い、言ってるけど、それとこれとはちがうだろ、」
「ち・が・く・な・い!あたしのこと好きなら言えます。絶対言えます。言えないはずありません」
「…………わ、分かったよ!い、言えばいいんだろ言えば!」
「(にっこり)投げやりに言うんじゃダメだから。ちゃーんと愛情込めてちょうだいね?ダーリン」
テイク1
「はっ、は、は、はに、っ、」
「ぜんっぜんダメ!」
「ったく、これだからダメツナは」
「っていうかなんでお前がいんだよリボーン!」
テイク2
「〜っ、は、はに、はっ、に、ぃ、」
「だいぶ近づいてきたけどまだダーメ」
「頑張って下さい10代目!オレ、ここで応援してますんで!」
「いや応援とかいらないから!っていうかなんで君ここにいんの獄寺君!!」
テイク3
「は、にぃ、っ……っていうかハズっ!ちょ、もうやめない?」
「だ・め!あとちょっとでしょ?ここで弱音吐くなんて男らしくないよツっくん」
「(がん!)」
「あはは、キツイのなー。頑張れよツナ!こう、ぐわっとズイ!っとすりゃあ言えるから!」
「そう!そうなの!やまもとくん分かってる!(うふふ)」
「まぁな!ダーリンとくりゃハニーだもんな!(あはは)」
「っていうかだからなんでいんの山本!つかにべたべたすんなよ!!」
テイク4
「ツーナっ!あそべー!あそばんかいコラー!ランボさんだぞぉ!」
「(ウザイのきたー!)お前まで来ると余計うっさいから向こう行ってろよ!」
「あららのら?今日はもいるんだもんねー!あーそーべー!!」
「(にっこり)今ねー、ツっくんもも忙しいの。だからまたあとでね」
「えー!えー!……やーだもーんねー!今あそばんかい!!」
「(にーっこり)」
「(や、ヤバイ!)……ら、ランボ!あとでいっぱい遊んでやるから!今は向こう行ってろ!」
「ハァ?ツナはランボさんの子分でしょーが!エラそうなこというとぐっぴゃあっ!!」
「分からず屋には愛の鉄槌、ってね(にっこり)」
「〜っ、ら、ランボさんはっ、ランボさ、ぐぴゃぁぁあああぁぁっ!!(がちゃ)」
「げっ!10年バズーカ!っ、危ないからこっちこい!」
「何よ何よ何よ!こういう時だけ彼氏ぶらないでよねツっくんのバカ!
ハニーの一つや二つ言えてからそういうこと言えあほんだらぁっ!!」
に突き飛ばされて、よろけた先は。
「(や、やべ!)ちょっ、ランボ!撃つなよ!撃つなよ?!」
「ぐぴゃあぁぁあっ!(どかん!)」
げ、当たった。
***
「全く、無駄に10年バズーカ使うなって言っただろ?……って、こっちのランボには言ってないか」
だ、だれこのひと……!
っていうかツっくんは?!あたしのツっくんは!?
「……誘拐!「待て待て待て。、ホントに俺が誰か分かんないの?」
ハァ?
あたしは初対面の女の子の腰を引き寄せるような男の人知りません!って……あれ?
なんかこの人……、ツっくんに、似て、る……?
「10年後の沢田綱吉。お前のダーリンだよ」
にっこり笑った顔には、ほんの少しだけ、見覚えがある。
……って、あれ?ってことはこの人ホントに……
「じゅ、10年後のツっくん?!」
「そうだよ。10年後、の大好きなダーリンはこんなイイ男になってるわけ」
「っ、こ、こんなのツっくんじゃない!(だってだって、ツっくんはもっと、)」
「いつまでも弱気でいるわけにもいかないだろ?俺のかわいいハニーは、強い男が好きって言うしね」
「!い、いま、ツっくん……!」
「俺のかわいいハニーは、強い男が好きって言うから、俺は10年頑張ったわけ」
だ、だめ。だめよ。気をしっかりと持ちなさい。
この人はツっくんであってツっくんであらず、よ。ダメよ。だめ。
惑わされちゃだめ。
「が望むなら、いくらでも言ってあげるよ?……ハニー」
「ん、やだ、」
「なんで?俺も、お前の大好きな「ツっくん」だよ?……ハニー、」
「っ、」
意地悪そうな顔をして、ツっくんが笑った。(唇が、近づく)
「愛してる。……逃げんな」
「だって、んんっ、は、」
「愛してる、ハニー」
「や、ん、っは、んん、」
「、ん……、名残り惜しいけど、そろそろ時間だな。さて、戻ったらどうしようかな?
10年前の俺だと、ハニーが満足してないだろうからな。優しくしないと怒るんだよ」
最後に、ツっくんが何か言ったけど、聞こえなかった。
***
「…………(きまずい、)」
「………、あの、ね、」
「!な、なに?!」
「………ツっくんは、10年後で誰かに会った?」
「へ?あ、あぁ、うっ、うん、会ったよ」
「女の人?」
「(な、なんで知ってんのこの子!っていうか10年後のお前だよ!)あ、ま、まぁ、そうだ、ね、うん」
「……キレイ、な、人、だった?」
「え、あ、うん。美人な人だったけど?……、ど、どうした?」
「もうハニーなんて言わなくていいから、ずっとずっと、ずっとあたしの傍にいてね?
それと、あたしは強い男の人が好きだけど、ツっくんは今のままでいいんだからね?」
つ、強い男が好みって、ま、マジか!今知ったじゃんオレ!
っていうかえええ、気にするでしょそれは!
今のままでいいってどういう意味だよお前!っていうか10年後のオレはに何したんだ!!
「………、なんかよく分かんないけど、オレはずっとの隣にいるよ」
***
「―――――――――っていうことあったよな?ハニー」
「きゃー!もう!それ恥ずかしいから言わないでよバカー!!」
「なんで?かわいくていいじゃん。俺はそういうが好きだ」
「(きゅん)で、でも、だめ!」
「……10年前の、すげえ可愛かった」
「(むっ)なぁに?今のあたしはかわいくないって言いたいの?」
「そんなこと言ってないだろ?今のは綺麗で、愛してる」
「(かちん)じゃあ10年前のあたしは愛してなかったわけ?」
「(やべ)そんなこと言ってないだろ?10年前から愛してたけど、今はもっと愛してるんだ」
「そんなテに引っかかりません。あーそう。ふん!10年前のツっくんの方がかわいくってよかった!」
「(かっちーん)なにそれ。ふぅん?そういうこと言っていいんだ?へぇ?あ、そう」
「(びくっ)あ、えっと、その、つ、綱吉……?」
「(、かわい)なんだよ」
「……、つづき、しよ?」
「(だめだ、かわいすぎる)……いいよ」