何も食べたくない。何もしたくない。ぜんぶぜんぶぜーんぶ、なくなっちゃえばいいのに。そういう自分が悲しいし、嫌い。でも、この世界が嫌い。物でも人でも、全部嫌い。でも、憧れているひとが、いる。残念なことに、彼はこの世に実在しないけれど。生身の身体があるわけでは、ないけれど。例え漫画の登場人物でも、私は彼の考えや生き方に、焦がれる程の憧れを、感じている。トリップチュア!とても気持ち良い風が吹く、晴れた日。開け放たれた窓から柔らかい光が射す。こんなお天気の日は、余計に憂鬱になる。呼吸することさえ、面倒な気になる。どうして私は、こんな風になっちゃったんだろう。一生懸命、頑張って生きてたのに。いつからおかしくなっちゃったんだろう。いつ か、ら?でも、私本当に一生懸命やれてたのかな? もしかしたら違うかもしれない。ホントは全然頑張ってなかったかもしれない。だから、だから私こんな風に。学校、もうどのくらい行ってないんだろう。分かんない。今日何日? 何曜日? どうしよう、私それさえも分かんない。今日、平日かしら、それとも、休日? どうしよう、何も感覚がない。やっぱり私、何も頑張れてなかったんだわ。だって頑張ってた証拠なんて何一つないもの。どうしよう、どうしよう、どうしようどうしよう、こわい。こわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわい! 何が? 分からないけど、怖い! 私、どうすればいいんだろう。何をすべきなの? どうすればこの状況から抜け出せるの? でも、もうこれ以上怖い思いなんてしたくない! このままじっとしていて、静かに死んでしまいたい! だって私には、彼みたいな勇気なんてないもの。死んで、 死、ん で? どうして、今まで気が付かなかったのかしら。もう私には、何一つないっていうのに。無駄に生き長らえて、パパやママ、先生に迷惑を掛けて。くだらない。変われるだけの力なんてない私には、こうするしかない。本棚に、ふと視線が向かった。 彼、みたいな人に、なりたかった。彼みたいな人間だったらきっと、強く生きていけたもの。そう、彼、みたいな。それが欲張りな願いだというのなら、せめて、




せめて、彼のような人の傍に、在りたかった。