『実家(兄の本丸)に帰ります。』



鶴丸国永と大和守安定


「興味があることにはなんでも首突っ込むのに、ちょっかいかけてもすぐ離れるよね、鶴丸さん」

「ん? ああ、おひいさんのことかい?」

「そう。清光とか乱なんかは分かりやすくかまってちゃんだけど、鶴丸さんも相当だよね」

「ははっ、まぁあれだ、主があれだからな、押してもあまり意味はなさそうだろう? そうなると、“引いてみろ”ってな」

「それくらいがちょうどいいのかもね。三日月さんはナシって言ってたし、大倶利伽羅がタイプって言うくらいだからさ」

「俺はあそこまで引く気はないがな。未だに俺が突然声をかけると、大げさなほど驚くんだ。かわいいだろう? あんな反応されちゃあ、ちょっかいかけるなってのは無理な話だな」

「鶴丸さんは引き際が分かってるから、三日月さんみたいにうっとうしがられないんだろうね」

「三日月が聞いたら泣くな! あっははは!」


今剣前田藤四郎


「まえだ。ちかごろ、ひめはとてもおつかれのようです。ひらのにも、よくいいきかせていますが、ひめのごようすはきちんとみているように! いいですね」

「はい! もちろん承知しております。お茶をお出ししたいち兄に聞いたところ、どうやらお仕事が立て込んでいるらしいのです。お嬢様は真面目なお人柄ですし、お体が心配になりますね……」

「ですから、ほんまるにおかえりになったときは、ぼくたちがおせわしてさしあげるんです! ほんまるのてっそくをまもって、ひめにはすこやかにすごしてもらいましょう。ひめもおよろこびになります!」

「そうですね。僕と今剣さんは、この本丸にいち早く顕現された短刀です。その誇りを胸に、しっかりお勤めを果たしましょう!」

「そのいきです! そろそろ、ひめがゆどのからおもどりになりますね。まえだ、ひえたおちゃをおだししましょう」

「今夜は冷えるそうですから、膝掛けもお持ちしたほうが良いのでは?」

「おおっ、それはよいかんがえです! では、ぼくはおちゃを」

「それでは、膝掛けは僕が!」


薬研藤四郎加州清光


「てかさ〜、薬研て何気めっちゃうまいことイイ感じのポジション押さえたよね」

「はははっ、そうかい?」


「いや、マジで。ぶっちゃけ『薬研くんってかっこいいよね』って何回も聞いてる」

「ありがたい話だが、それはお嬢さんに直接言ってほしいもんだな」

「っはァ〜? 何それ贅沢じゃない? まっ、いちばんかわいーのは俺だろうけど!」

「……乱には言ってやるなよ」

「いやいや、俺と乱はかわいいのジャンル違うから大丈夫」

「は?」

「俺はJK枠。乱はアイドル枠だから」

「はあ……よく分からんが、まぁお互い納得してんならいいさ」


堀川国広山姥切国広


「兄弟が布を手放したくないのはね、普段の生活の中でなら別にいいんだよ? 男ばっかりだし、気にする人もそういないしね。でもね、週末に厨当番が入ってる時には――料理をする時には、布は外してよ。なんでだか言わなくても分かるよね?」

「……あいつの料理には、気をつけている」

「気をつけるのは当たり前でしょ? でもさ、布を外すのも気をつけるだけでできることだよね?」

「だ、だがっ、」

「もちろん厨に入る前には、手入れも受けるしお風呂にも入るし着替えもするけど! でも合戦場でのよく分かんない細菌とか穢れとか、もし、もし料理に入っちゃったら大変だよ? 人間は僕たちみたいに手入れすればいいっていう体じゃないんだからね?」

「……くそ……ッ! 俺は今まで何をしていたんだ……! 兄弟の言う通りだ、すぐに改める……!」


「うん、そうしよう!」