「さ――さん、書類はあれで結構です。頑張りましたね」 いや、合ってる。三好さん、“さん”で合ってますよここ会社、オフィス、公私混同はやめましょう。――とか真面目に抜かすやつがこの部署にいると思うか?? あああ゛ぁああああァア!!!! みんなハンカチ噛み締めてるよッ!! 三好さんの長年の片想いがようやく実ってみんな嬉し泣きだよッ!! 三好×最高ッ!! 三好さんのご機嫌も毎日最高ッ!!!! ッアー!! 今日も三好×が尊いです〜ッ!!!! と思いつつ、私の隣で顔を真っ赤にしているちゃんを横目で確認完全なる天使。三好さんも大好きオーラで後光放ってる。私の望んでいた光景ここが楽園……(感涙)。 「みよっ、三好さんっ、会社では名前で呼ばないでくださいって言ってますよね?!」 ができる限り小声で怒るも、まぁみんな聞き耳立てるのに忙しいなんてったってみんな待ってた三好×(完全版)……。仕事をするフリが最高にうまいと専ら噂の部署はここです……でもなんだかんだ三好さんが上にいるわけだから成果はあるんだこれが……エリートかよ知ってるエリート……顔だけエリートとか言ってた頃が懐かしい……をものにした瞬間三好さんは真のエリートとなった万歳……。 その三好さんはご機嫌に微笑みながら、顔を真っ赤にしている天使なちゃんを堪能している……この場面ずっと夢見てた最高……。 「そうでしたか? ふふ、おかしいな。今朝はにこにこ返事してくれたじゃないですか。……エレベーターでのこと、もう忘れてしまいましたか?」 え、エレベーターでの……こと……? 月9ご用達の……エレベーター……? …………何それめっちゃ気になりますッ!! ――とマウス握る手がぶるぶる震えてカーソルもめっちゃブレてるお向かいの同志も震えてる分かる……。 まぁとりあえずいつになく静かなるオフィス……なんか時々水滴落ちる音すら聞こえそうと有名な部署はこちらです……。 「〜っ、お、怒りますよ! 怒りますよ?!」 きっとは今可能な限りに怒っているつもりだろうけども、もうね……子猫ちゃんがにゃあにゃあしてるのと一緒かわいすぎかようちの秘蔵っ子最強……。 「ふふ、それは困るな。……あぁ、そうだ」 とりあえずとのお付き合いが決定してしばらく――三好さんのテンションが落ち着いていて非常に助かる。今まで小さいことでもめっちゃ神経使ってたから……次第で三好さんのご機嫌決まるからこうして毎日文字通りご機嫌だとみんなが幸せ……。というか三好×が拝める、これだけで仕事も頑張れる――いや、それはまたお話が違いますね、三好×についてみんなの知識が増えてゆくという三好×本制作に非常に役立つ――いや、今はそれはいいんだ……とか私が色々と考えているところへ――。 「?! み、みよっ、」 三好さんがの髪をゆっくりとした動作で後ろによけて、項を顕にすると、首筋にそっと顔を近づけたのでありとあらゆるところから派手な物音がした。お向かいの同志は“何か”を堪えるように拳を振り上げたが、そっと力を抜いた。 ……分かるよ……この“萌え”、どうにかしたいよね……でも近いからね……お邪魔したらっていう…………ああァあ゛あぁああ!!!! 私も今最高潮に萌えたいデスクをバンバンと打ち鳴らしたいです……ッ!!!! ちゃんのお隣のデスクとはなんともありがたいですし、こうして間近で三好×拝めるとか最高としか言えないけどその分だけこういう時には我慢を強いられるおかげで忍耐強くなった――気がするだけですァアあア゛ぁああァ萌えたいよ〜〜ッ!!!! 果てしない萌えをどうにもできずに震えるしかない私ですが、の耳元でくすりと笑う三好さんが美しくてだな……。振り返ると色々ありましたがコレがみんなの憧れの貴公子三好さんの真の姿つまりは社内の数多の女性社員がこの微笑み見たら気を失うことでしょうが申し訳ないけどちゃん限定です……うちのってすごいでしょ……? すると三好さんが「言おうと思っていたんですよ。フレグランスを変えましたね。僕は前のほうが好きだな。……どうして変えたんです?」とかまた非常に興味深いことを……そろそろメモの準備しようか……。 「え、」 がなんだか……しまった! みたいな顔をするので久し振りにゴクリとしたが無用な心配であったなぜなら三好さんの大好きオーラが輝きすぎて眩暈起こしそうなくらいだから…………萌えネタの気配しかしない(真顔)。 「どうしてです?」 楽し気な三好さんに対して、は上擦った声で「……みっ、三好さんちょっとお話があるんですけど、あの、」と上目遣いに視線をさまよわせている。 場所が場所ならパシャってる……心のシャッターならいくらでも押せるからそうしよう……連打……。 三好さんはやっぱり貴公子スマイルで「ええ、もちろん聞きますよ。どうぞ?」と言うが、は「ち、ちがっ、こ、ここじゃなくって、」と、とにかく三好さんを黙らせたい様子だ。 …………余計に気になるじゃないやだもうここまでのやり取りで萌えメーター振り切ってるのに…………はやく続きちょうだい? 「では、どこならいいんです?」 「っふたり――みっ、三好さん〜っ!」 「ふふ、分かりました。僕と、二人で、話がしたいんですね。すぐに昼休憩にも入りますし……その時にゆっくりお聞きしますよ、さん」 もうみんなでデスクを一発ぶん殴った三好×最高って一日に何度言ってるか分からない。 さて、は三好さんと一緒だし、色々とやること――三好×本制作のための作業――あるし、今日は気ままに一人ランチ〜と思っていたところ、「っ三好さんひどいですっ! なんでああいうことするんですかっ! 約束したでしょっ!? 会社では三好さんはただの上司なんですっ! 上司っ!!」……との声がしたので、私は思わずその場でぴたりと足を止めた。 んん゛ンん覗きや盗み聞きはいけないことですがここは会社ですのでうんたらかんたらつまりそういうことだ。 「さんのしたいことはしたいようにしていいと、僕はいつも言ってるじゃありませんか。どうぞ、思う存分に僕のかわいい部下でいてください。ですが、さんはいつだって僕のかわいい恋人ですよ」 さすが三好さん……それらしいことを言って自分のペースに引き込む術をよくご存知……しかも相手は素直ななわけだから……。 「〜っ、そ、そういうことじゃなくて!」 ――とかやっぱりにゃあにゃあ子猫ちゃんが鳴いてるのと同じ……かわいすぎかよ動画撮りたい……。 萌えが、萌えが……! とその場に崩れ落ちそうなところへ、三好さんが「それで? 僕と二人きりで話したいこととはなんですか?」と先程の核心に触れることを言うもんだからますます聞き耳立っちゃうよね……でもほらここ会社だからいつ誰が何を聞いてるか分からないわけでそんなところでイチャイチャするなんてうんたらかんたらつまりそういうことだ。 「え、」 「僕はどこでも、誰がいようとも気にしませんが……さんは気になるんでしょう? 今なら、誰もいませんよ」 三好さんの言葉に、が声を詰まらせながらも「〜っみ、三好さんが言ったんじゃないですかっ! ……え、エレベーターでのこととかっ、香水のことっ!」と小声で必死に訴える。 ……うん、その“エレベーターでのこと”とやらを私は詳細に知りた「エレベーターでのことですか。……どれのことです? 今夜のデートの話をしたことですか? あぁ、昨日のベッドでの話をしたこと?」……さすがに会社のエレベーター内で……いや、どこのエレベーターの中でもそんな話すんなよバカかッ?! 三好さんはバカだってそんなモン昔っから知ってるわちゃんかわいそうに……後で飴ちゃんあげるね、ちゃんの好きなだけあげるからね……羞恥プレイがうんたらとか私は思ってないからね……。 ――とかなんとか思いつつ合掌していると、三好さんの囁くような「……それとも――」と続いた言葉にどきりと「っん、……ん、」…………。 「……こうしたことですか?」 「〜っぜんぶ!」 ッアー!! なんだよキスシーンとかあるんなら先に言っといてもらえます?! 「それで? それがどうかしましたか?」 会社でキスとか不埒なことしといて『どうかしましたか?』ってアンタの頭ン中こそどうかしました?? いや、どうかしてるのはずっと前からだった今更……。もう大好きオーラが止まることを知らない……。 「だからだめなんです会社ではっ! 聞いてますかわたしの話っ!!」 そうそう、会社ではだめなんです、こうやって誰かが聞き耳立ててる場合が大いにありえるわけだから……え? 私?? 私はほら……三好×本制作のためにはね、こういう調査が必要なわけだし何よりここ会社なわけだからうんたらかんたら――だからつまりそういうことだ。 にゃあにゃあ怒ってるちゃんに、素知らぬ声音で三好さんが「あぁ、まだフレグランスのことがありましたね。……どうして変えたんです? 前の香り、僕はとっても好きだったのに」と言う。 ああ……そうだ……それも聞きたかったやつ……萌えネタちょうだい……。 「……だ、だって、」 「“だって”?」 私も心の中で『“だって”?? “だって”何かな????』とめっちゃ思っているところへやっぱりうちの秘蔵っ子は最強でした……。 「……三好さんとおなじにおい、するんだもん……」 ッアー!!!! お揃いなのね?! 三好さんとお揃いにしたのねッ?!?! これは三好さんの「……さん、もう一度、いいですか?」にやめろとかなんとか言えないキスしたくなっちゃうねオッケー会社だけどオッケー私が許可する……ッ!!!! 「、だめです、会社です、」 「だめです、僕はあなたの上司だ」 やだ超メモりたいなんでメモ持ってないの私しょうがないから私の海馬……ッ!! その能力をフル活用する時がきたぞ働いてくれ……ッ!!!! 「……そういうの、ズルっていうんですよ、」 のか細く震えた声に、三好さんが優しく「ずるい男は嫌いですか?」と聞く。 ……何コレ正しい言葉が見つからないから魔法の言葉使うね今私はクソほど“萌え”ています……(合掌)。 ――とかやっていると。 「……きらいです!」 ちゃんストップ待とう三好さんのテンション安定してるところへあなたがそんなことを言うとね?? また斜め上なひん曲がった使いモンにならねえ三好さんになってしま「、分かりました、もうしませんから――」……ンんん゛ンん何その声聞いたことない……ちゃん大好きかよ知ってるけどホント嫌われたんじゃないか? フラれたらどうしよう……みたいなの全力で伝わってくるんだけどッ!! 三好さんファンに教えてやりたいね、あの人らまだコソコソ三好さんのこと狙ってるからね…………無理ですッ!!!! この様子じゃどう考えても無理ですご愁傷様……(お祈り)。 さらに言うとうちの秘蔵っ子も秘蔵っ子で最強にラブリーだから……。 「……でも、三好さんはすきです」 うちの子最高知ってるけど〜ッ!!!! そうだよね?! なんだかんだも三好さん大好きだもんね?!?! 私知ってるよ最近のいつもの“お約束”の飲み、愚痴なんて一つもなくってひたすら三好さんが“意地悪”するとかなんとか……。 その肝心の“意地悪”の正体は何度聞いても答えようとしなかったけどつまりこれがアンサーですね(血涙)。 「……僕の天使は、いつからそんな意地悪をするようになったんです?」 「三好さんが意地悪だからです」 ホンット三好×は最高だなッ?!?! と思っているところへ、三好さんがくすりと笑った。 「そうですか。……なら僕も意地悪するのはやめません」 「っなんで?!」 「……その罰がこんなに愛らしいものなら、喜んで受けるからですよ」 オッケー大丈夫、キスしちゃっていいですよ……(小声)……。 「……三好さんがいじわるって思わないなら、別の、かんがえます、」 のそんな神妙な声にもちっとも動じず、三好さんは「いくらでもどうぞ。……それで、今晩はどうします? うちへ泊まりますか?」と甘い声で言っているが、私には分かるこういう時のちゃんは鋼の心でもって相手に立ち向かっていくタイプのヒロインであると……(拝み)。 「……泊まらないです!」 すると絶望……という感じの「……どうしてです……」という三好さんの声に思わずザマァしそうになって我慢した。 い、いやいや、今更そんなもん望んでないよ私は。だって三好×のラブラブでいちゃいちゃなシーンを拝みまくるっていうのがずっと夢だったんだから、それが叶った今…………ザマァ(笑)。癖ってホントなかなか抜けないね(笑)。 ――とか思ってバカウケしそうになっていたところで、「意地悪ですっ! 三好さんがっ――ぅん、んん、……っ、」…………。 「……僕が、なんです?」 「だからっ、あ、……――もう〜っ! ほんとにほんとにお泊まりなんかしないから! 三好さんきらいっ!」 か、会社でのキスはだめだとあれほど……(歓喜)。 それはともかく、前なら過剰反応して嫌味炸裂させてた三好さんだが、さすがに落ち着いているからそんなことにはならないでしょう……と思いつつもやっぱりの口から面と向かって“嫌い”なんて……しかもさり気なくもう二度目なんだぜ今日このシーンだけで……と緊張が走る中……三好さんは三好さんであった……(拝み)……。 「……本当に嫌いですか? 本当に僕のところへはいたくありませんか?」 「〜っう、うぅ……う…………きらいじゃ、ないです……」 「それじゃ、今夜もずっとそばにいてくれますか?」 「……ずっとそばにいたら、もう意地悪しませんか?」 「そうですね……それは、さん次第です」 顔だけエリートから卒業して真のエリートとなった三好さんは、こうしてを自分のペースへと誘い込むことがものすげえ勢いで進化してってるから何も問題ないんだ……さすがエリートという名の三好さん……三好さんという名のエリート……(拝み)。 するとがまたにゃあにゃあしはじめるからここは楽園かな???? とか思ってたら……。 「なっ、なんで?! 意地悪しないって約束してくださいっ! じゃなきゃお泊まりはしませんっ三好さんがなんて言ってもしませんよっ? いいんですかっ? お泊まりしませんよっ?!」 「僕を相手に駆け引きしようと? さんじゃあとてもじゃないですが、僕に勝てるわけが――」 「いっ、言いつけます」 「……誰にです?」 「みんなにっ! みーんなに言いつけます!」 「……なるほど、うまい言葉を教えたものだ。――感心しましたよ、本当に」 ……やべえバレてる。 『なんか三好さんにひどいことされたら、“みんなに言いつけます”って言えばいいからね〜?』って教えたのはこの私。 三好さんのことだから“みんな”というところに過剰反応して、すぐにちゃんに謝ることだろうと考えついた完璧な呪文だったわけだがバレてる。入れ知恵したのバレてる。ついでに今この場に私がいることもバレてる泣きそう(笑)。感情迷子(真顔)。 「……いいでしょう、意地悪はやめます」 妙に落ち着いた声の三好さんにざわざわするのは私だけでしょうか……。 「ほっ、ほんとですかっ?」 ――と、素直なちゃんはきっと表情を明るくさせているだろうと容易に想像できますが、「ええ、もちろん。僕はあなたには嘘を吐きません」とかこういうこと言う時の三好さんほど信用ならねえ人もいねえんだわコレが……。 私がはらはらする中、が「じゃあお泊まりしますっ。でも次約束破ったら、ほんとにほんとにほんっとーに許さないですからねっ?!」と念押しする。 すると意外にも三好さんが「もちろん、その時はさんの好きにしてくださって結構ですよ」とか言うので、さすがに『“みんな”に言いつけられる』と(せっかくここまできたのに)非ッッッッ常に困るのは三好さんなわけだから、まぁそれもそうかと一人頷く。 しかし今まで三好さんには空回ったひん曲がりまくりの斜め上な愛情表現しかされてこなかったわけなので、が慎重そうに「……ほんとですか?」と言うのは間違っていないかな! ……とか思っちゃう……(震え声)。 「そんなに信用ならないんです? ……だったら、ここで誓ってみせましょうか」 「そうしてください。絶対絶対約束破らないって――」 …………こっ、この沈黙は…………? 「――誓いのキスです。これでいいですか?」 ッアー!!!!(歓喜) くそぅ少女マンガっぽいじゃねえかよッ! 誰か絵師さん呼んでくれ許可……は取れないから私のようにコッソリとしながら描いて……ッ!! いや、私ももうバレてるからコッソリとか無理なんだけどさッ?!?! 「〜っだからそれがだめなんだって言ってるじゃないですか聞いてましたわたしの話っ!!」 にゃあにゃあしているに、楽し気な三好さんの声が「今のは意地悪じゃありません。誓いのキスだと言ったでしょう」と応える。 「ああ言えばこう言うっ! ズルですよズルっ!!」 「でもさんは言いましたよ」 「何をですかっ!」 「ずるい男は嫌いでも――僕のことは好きだと」 「〜っもういい知らないっ!!」 ……あああああァ゛あア゛ァ……これはちゃんもさすがに……さすがに……と思いながら、私は遠ざかっていくヒールの奏でる足音(ぷんぷんしているのが分かるかわいい)に打ち震えた……三好×は最高だなホント……(感涙)……。 「……ちゃんや」 私が声をかけるも、はパソコンの画面からちっとも目を逸らさず、しかもキーボードを叩く音がめちゃくちゃタタタタンッ! だし、オーラも何か――まぁもしかしなくとも怒り――に赤く燃え盛っている……。 そしてこの「何」という素っ気ない声が何よりの証拠分かりますとてもご機嫌がよろしくないですね……。 「……とてもご機嫌が悪いようですが……」 「悪くないっ! もしわたしの機嫌が悪いとしてもそれはわたしのせいじゃないからね!」 ……でもごめんね、はこんなに怒ってるっていうのに……その理由も正しいものだって分かってるのに…………。 「うん分かってる全部三好さんのせいだよね意地悪彼氏に振り回されちゃってもなんだかんだ許しちゃう彼女ってなんておいしいカップリングなんだ最高つまり三好×最高――んん゛ンじゃなくて、三好さんと何話したのかな??」 ――っていう(歓喜)。いや、知ってるんだけどちゃんの口からあの時どういう心情でいたのかとかそういうの聞きたいじゃん心理描写って大事だか「聞いてよ三好さんひどいんだよわたしが真剣に話してるのに何回もキスしてきて全然聞いてくれな――っちがう! 今のナシ!!」…………。 「ほ〜う??」 「ちがう今のナシなんでもない違うのちがうの会社でそんなこと――」 首を左右にぶんぶん振るに影がかかる。 私は思わず笑顔になってしまった……ホントにごめんねでもずっと夢見てた三好×だから……(感涙)。 「さ――さん、就業中に私語はいけませんよ。……おしゃべりな唇は、僕が塞いでしまうほうがいいですか?」という三好さんのセリフにはただただ萌えることしかできないのオフィスラブ最高……。 「っ三好さん! わたしさっき言いましたよねっ? 約束しましたよねっ?!」 しかしながら、当然ちゃんのご機嫌はな……しかも正論だからな……と私が頷いているところへ、すっとぼけて三好さんが「どんな約束をしたかな……」とか言うから、真正面から向き合うタイプのはきっちりと「意地悪しないって約束ですっ!!!!」と声を張って言った。……んン゛ンみんな聞き耳立っちゃいますね……みなさん、お仕事を(しているフリだけは)ちゃんとしましょうね……。 「ふふ、あぁ、そうでしたね。ですが、僕は意地悪なんてしていませんよ」 「してるっ! してるでしょっ?!」 「おや、僕の愛情は伝わっていませんか? ……それなら、もっと分かりやすくいなければいけませんね」 会社だってこと完全に忘れて痴話ゲンカとかこの二人だからこそだなと思うとますます萌える……(拝み)。 ――と思いつつ、さぁどんどんどうぞ? 遠慮しないでいいのよ?? と心の中で萌えを催促していると、三好さんがふいに真面目な声で「あぁそうだ、さん、ちょっとこの書類について」と言ったので、がはっとして「えっ? あっ、はい」と返事をしたところまではよかったのだが、次の瞬間三好さんがの頬にキスをしたのでまたありとあらゆるところから派手な物音がした。 「――これでお分かりいただけますか?」 は真っ赤な顔で「〜っちょっと三好さんお話いいですかっ?!」とデスクチェアから勢いよく立ち上がった。 三好さんは貴公子スマイルで「ええ、もちろん聞きますよ。どうぞ?」とを見つめる。 …………おや……? おやおやおや……?? もしかしなくともこの流れは……???? 「ち、ちがっ、こ、ここじゃなくって、」 「では、どこならいいんです?」 「っふたり――みっ、三好さん〜っ!」 「ふふ、分かりました。僕と、二人で、話がしたいんですね。……少し席を外します。皆さん、仕事は疎かにしないように」 さすが三好さん……これ昼前の会話の再現だなんてちっとも気づいてないですよ……っていうか仕事疎かにすんなとかおまえが言うなってみんな思ってるけど、それ以上に三好さんの大好きオーラがもはや真夏の太陽のようで眩しい上に毎夜夢に見ていた三好×最高尊い……。 だからオッケー大丈夫。私たちのことは気にせずいちゃラブ幸せライフをどうぞ三好×最高……(拝み)。 |