2016年3月30日よりスタートしました青城3年企画『ありがとう、青城。だいすき、青城』、本日(2016年5月5日)無事完結いたしました。
応援してくださった皆さま、本当にありがとうございました。当初の予定より大分遅れましたが、今日を迎えられてよかったです。

あえてつらつら語ることでもないかなとは思ったのですが、そもそもこの企画は「青城戦ほんとによかった、感動した、でも終わっちゃった悲しい……でも!この先の“未来”ってまだあるよね!!それを応援していかなくちゃいけないんだよね……」っていう、なんともこう、説明が難しいいろんな感情がごちゃまぜになった状態をなんとかすべく、「ここまで、(今までの)青城にありがとう」そして「“これから”も青城がだいすき!!」をなんとか表現しようと考えて始まりました。

そこで「何を書く?」となったときに、「これまで青城を支えてきて、そしてその後を後輩に託して卒業していく三年生」を書きたいと思って、今回は三年生に絞った企画として、及川徹の記憶⇒岩泉一の確信⇒花巻貴大の愛情⇒松川一静の想像⇒及川徹の未来の全5話となりました。

書いていくにあたって、構想はポンポンッと特に迷うこともなかったように思いますが、心配だったのは松川くんでした。なんたって書いたことない!岩ちゃんに関しては、サイトではまだお話の更新がありませんが(マガジンのほうで色々書いてきたので)吉野が書く岩ちゃんはこんな感じだなというのがあったので、松川くんほど頭を抱えることにはならなかったです。というわけで、松川くんがいちばん時間をかけてできあがったお話です。

全体的に今回はお話一つ一つ、短いものになりました。読みごたえというと、ちょっと足りないよね……とは思うのですが、わたしがいろいろ抱えていたごちゃまぜの感情の整理ができるくらいには、書きたいことを書けたと感じているので満足です。


ここからは一話ずつ、ちょこっとお話しさせていただこうかなと思います。
主観です。こうだったらいいなー、とか、こういうこと考えてできた話ですっていう。


及川徹の記憶
ヒロインが『中学時代からの及川の彼女、現青城三年生』というのは一番最初に決まった設定でした。北一時代のスランプこそ、及川が最後まで立派に青城を引っ張っていくリーダーになるきっかけであったと思うからです。岩ちゃんとのシーンにヒロインを出すのは「なんだか違うなぁ」と思ったので、ああいう感じになりました。どのお話にも共通することですが、ヒロイン自身が何かをすることは、わたしの書きたいことには入っていないなと。この辺り、ちょっと物足りない…っていうところもあるかと思いますが、このお話も先に書いたように「書きたいことを書けた」と感じています。ヒロインがこの頃、及川が一番辛かったであろうときにしたことは、“信じる”ことです。どんなに応援していても、同じコートに立っているプレイヤーでないと分からないことがあるだろうな、そういうときにできることってなんだろう?と思ったとき、やっぱりそれは“信じる”こと以外にはないんじゃないかなと。なのでヒロインにはそこだけを徹底してもらおうと思い、ここでヒロインの立ち位置が決まりました。この企画のベースになるお話になるのかな?と思います。


岩泉一の確信
北一時代のスランプを及川が乗り越えるきっかけになった彼から見て、及川とヒロインとの間にあるものは何か?って感じだったと思いますが、ヒロインの存在は中学のときから知っているわけで、きっかけを与えたのはもちろん岩ちゃんであったけど、その岩ちゃんも、及川をひらすら“信じる”ヒロインを見ていたら、「ここまでひたむきに信じられたら、そらやる気にもなるわな」って感じで、なんだか深く考えることもなく自然とヒロインが及川を“信じる”のは当然のこと、そんなヒロインの気持ちに及川が応えるのも当然のことだなって知らないうちに受け入れてこの六年っていうような。ヒロインと及川の間にあるものとはまた種類が違いますが、ここにも信頼関係は成り立っているという。


花巻貴大の愛情
なんでだかマッキーだけ恋愛要素が。吉野が及川に次いでマッキーが好きだからじゃないのって言われたらそうだな…(ゲンドウポーズ)って感じなんですが、及川とヒロインの信頼関係っていうのがどれほどのものか、っていうのが分か……まぁ、そうなってたらいいなっていうお話です。マッキーはそれが“どれほど”かよーく見て知っての三年だったので、そんな素振りなんてちっとも見せずにきたけれど、いつでも泣くことなんかなかったヒロインの涙を、たった一人知っているんだっていうのがこう……だめだ…なんか説明できない…。でも、ヒロインの涙を知ってるのはマッキーだけで、長い付き合いの岩ちゃんどころか及川ですら知らないっていうのがミソ的な。でもマッキーからしたら、「及川のまえでこそ泣けない」っていうのが、またふたりの間にある信頼関係が“どれほど”かっていうのを思い知らされたようなもんなので、切ない話だよなって自分で思いました。なんか、大人になってふと思い出す恋愛ってこういうやつだよなぁって。


松川一静の想像
特別心配していた松川くんです。これはなんというか、良くも悪くも一番“ちょうどよく”誰にも肩入れ(?)してない目線での話だったのでは?と思います。なので、一番的確に(?)及川とヒロインの“未来”を捉えることができているように思います。自分で書いたものですが、こう改めて振り返ると(たぶん)とか(みたいな)っていうのがまず最初に出てきてうまく伝えられないです。そんな調子なので、今書いてることがこれを読んでくださっている方に伝わるんだろうかと……まぁ、この企画そのものが吉野の主観なので、お話そのものも印象も、皆さまそれぞれだと思います。……っていう!


及川徹の未来
最後にやっとヒロイン視点でのお話。吉野はサイト更新を再開してから、「ヒロイン視点で書く」というのからちょっと離れていまして、それというのも「キャラの心情を書きたい」というのが強くなった結果、そういうかたちに収まりまして、ここのところヒロイン視点のお話ってなんか書いたっけな〜(書いてたらそのお話についてはすみません…)っていう感じでいるくらいです(ほんとにすみません書いてたら)。が、この企画では最後まで“信じる”ポジションを徹底してきて、それでいて及川だけでなく、その及川の仲間たちにも信頼を寄せられたヒロインの視点というのは、絶対に外せないなと思いました。そしてタイトル通り、及川の“未来”の話です。ヒロイン視点については、うーん“ヒロイン”なので、そこの解釈は本当に皆さまそれぞれなのかな、と思いますし、吉野も吉野でこれこそ特につらつら語ることでもないなと。どういうことかというと、吉野もヒロインのことはよく分かりません。たぶん、本当に理解できるのはこの世界での及川徹だけだろうな、と今思いました。

そして、最終的にはまた及川視点に戻る(切り替わる)わけなんですが、中学時代、高校(最後の春高に絞って考えます)、現在、自分を“信じる”ヒロインのことを“信じている”ことには何の変わりもありません。ただ、中学時代には見えなかったものが青城での三年間で見えてきて、最後の春高で見えなかったものが現在見えてきているというだけで。そして、二人の間にある信頼も何の変化もなく、ごく自然に存在しているという。作中、及川は終ぞヒロインの涙を見ていません。でも及川はそれでいいと思っています。「もしかしたら…」と思うことはあれど。これにはちょこっと触れてましたかね?どうして「それでいいのか」って、もう及川は泣かせるようなことは絶対にないと思っているからです。ヒロインは勝っても負けても泣きはしません。なんかすごいあんなキザな(笑)プロポーズしても、どういうこと?とはなっても感激して泣くとかしない。もうなんだろう、本当に、この二人のことはこの二人にしか分からないです!!!!でもたぶん書きあがるまでの時間は、この企画では最短だったと思います!!!!それだけです!!!!


そんな感じです。


この世界の“ヒロイン”である皆さま、それぞれご感想があると思います。解釈は本当に何通りもあるんだろうなとも。
ですので、本当になんか…わざわざページ作るまでのことだったのか分からないんですが(お話についての話が薄い…)このことをお伝えできれば、それでいいです。

ヒロインと及川の間にある信頼関係とは、一体どんなものですか?
わたしの知らないヒロインと及川の間にある“信頼”のかたち、教えていただけたら嬉しいです。