何もかも分からないけど。
全部が全部、疑問ばっかりで埋もれてるけど。
でも、一番分からないのは。
分かっていなくちゃいけないはずの。
わたし自身の、気持ち。
10:涙
こうやって悩んでる時、苦しい時、傍にいてもらいたい人がいる。
大好きで大好きで、仕方ない人。
優しくて、眩しい人。
今すぐ、逢いたい。
でも、逢えない。
中途半端なわたしじゃ、逢えない。
だって、たーくんのことを好きとかいいながら、キョーヤ先輩のこと、考えてる、なんて。
こんなわたし、許せない。
こんなわたし、許されない。
何かに縋りたくて。
縋れる存在は、確かに存在してるのに。
手を、伸ばせない。
悩めば悩む程、悪化していく。
全てが。
ズルイ考えを持ち始めてる。
今までと同じように、何も変わらないまま、何も変えないまま、平行線を引いていく。
時々ぶつかることがあったとしても、構わない。
二人のどちらかを失うなんて、考えたくもない。
たーくんのことは、好き。
すごく、すごく。
キョーヤ先輩のことも、好き。
すごく、すごく。
二人とも、わたしには必要な存在。
そんな風に考えてたら、いつまでも答えを出せないのは分かってる。
だけど、このままでも時間が解決してくれるなら、それでいい。
それがいい。
だって、どんなにズルくても、許されなくても。
やっぱり、今まであったものを捨てるなんて、したくない。
「、それじゃ、ダメなの?」
ぽたりと、頬から滑り落ちた涙が、テーブルに落ちた。
まるで、それが合図だったかのように、涙が溢れてくる。
「、たーくん、キョーヤ、せんぱ、」
正しい答えなんて、きっとない。
だからこそ、わたしは見つけなくちゃいけない。
わたしが欲しい、答えを。
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