「はァ?!演げっむぐ!」

たまらず叫ぼうとした俺の口を、リボーンがばっしーィん!!とふさいだ。
口をふさぐには余分なパワー込めすぎじゃないのおまえ。
いいから黙っとけと言って、リボーンが俺に小さく耳打ちをする。

「いいか、今までのことは全てお前の誕生パーティーのための、本人出演による演劇ってことになってんだ。ほれ、あのの楽しそうな顔を見てみろ。今更ウソだなんて言えるのか?オレにはそんなむごいマネはできねーが」

言われてちらっとを見ると、あの壮絶な映像についてディーノさんにはしゃぎながら感想を伝えている。……っく!悔しいけど、確かに楽しそう!しかも超絶かわいい!!リボーンの言う通りにするのはだいぶ癪だけど、あんなにかわいい笑顔を浮かべている俺の天使に、「あれは全部お芝居じゃなくてマジで、俺は本当に死ぬ寸前だったよ(笑)」なんて言えるわけがないぃいぃいいいい!!!!!仕方なく俺は溜息を吐くと、リボーンがにやりと笑った。

「それにしたってリボーン、お前いくらなんでもやりすぎだぞ。こんな屋敷まで用意して」
「すげーだろ、ここ。ま、大した額じゃなかったから安心しろ」
「って買ったのかよ!」
「ばーか。じゃなきゃあんな盛大に壊していいわけがねーだろ。修理費のが高くつく」
「にしたっていくらだよ…あー、経理にあれこれ言われるのは俺なんだぞ!」
「0が7つの値段だ。こういう屋敷にしちゃ破格の値段だろ。なんてったって曰くつきらしいからな」


曰くつき。リボーンがそう言ったとき、俺の背中を冷たいものが撫でた。
ごくりと、唾液を飲み込む。けれど、どうしてだろう。
喉がからからに乾いているような気がしてならない。俺は、ゆっくりと口を開いた。

「―――――俺、さ、この屋敷に来てから、変なんだ。獄寺くんたちの部屋では、入る前にドアノブに血がついてるのを見た。いや、実際、触ったんだ。なのに、それは獄寺くんと山本に見せる前に、すっかり、消えてしまっていて。その後、雲雀さんたちの部屋の前では、はっきり女性を見た。白いワンピースを着た、長い黒髪の女性を。口には、血が、べっとりついてた。……あれも、お前が仕掛けたいたずら、なんだよな?」

全て話し終えた俺の顔を見るリボーンは、訝しげだった。

「…おい、ザンザスにぶちのめされて頭イっちまったのか?」
「ぶ、ぶちのめされてねーよ!がいるのに滅多なこと言うなよお前!って…、え、」

「オレはそんなもん用意してねーぞ」


そう言ったリボーンの肩越しに、あの、女性が―――――。

「うわぁあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」