パーティーでうちの奥さんの話をしろって……、リボーン、お前またなんか妙なこと考えてるだろ。え?結婚して1年目の記念パーティーなんだから、うまいスピーチでもして場を盛り上げるくらいしろ?あ、あのなぁ……お前俺ら夫婦のことなんだと思ってるんだよ……。だいたい、あの恥ずかしがり屋のが許すわけないだろ、そんなこと。……って、はぁ!?にはもう許可を取ってるだって?!なに勝手なことしてんだお前は!!あぁっ、お前あれだろ!赤ん坊の頃みたいに甘えたりしてみせたんだろ!俺は絶対にしないぞっ、そんなくだらないスピーチ!は?!が悲しむ!?馬鹿言えッ、の話なんかしたらそれこそ悲しむに決まってるだろ!……な、なんだよ、その顔は……っ!……なに?どうなっても知らない?それはこっちのセリフだよ!おまえ覚えてろよっほんと! 「……綱吉さん、わたしは、あなたの妻を名乗るには相応しくない女でしょうか……」 「え?!な、なにっ、急に!どうしたんだよっ、誰かに何か言われたっ?!」 「ち、ちがいます。……そうでなくて、あの、聞きました、来月のパーティーで、」 「……あぁ、あのスピーチの話なら大丈夫だよ。そんなふざけたことしないか……らっ?!」 「ふっ、うぅ、っく、ひ、ふえ、ぅ、」 「ど、どうして泣くんだ!スピーチはしない!大丈夫だ!」 「わっ、わたしは、綱吉さんが、ひ、ひとさまに、お話できないほど、ふ、不出来な……っ!」 「ち!ちがうよ!そうじゃないっ、そんなこと、あるわけがないだろ!」 ・ ・ ・ え、ええと、それじゃあ、結婚して1年、俺の奥さんの話をしたいと思います。 えー、妻のとは、俺がまだ日本で学生をしていた頃、高校生の時に出会って、ごく普通に恋愛をして、ええと、俺の方が、彼女に一目ぼれをしたんですが、彼女も、俺を好きだと、言ってくれまして。それで、俺と彼女が大学を卒業したその年の夏、俺はボンゴレのボスとしてイタリアへ向かうことになったのですが、その時まで、俺は彼女に……、いちばん大切なひとに、ずっとうそを、ついていて。……でもっ、ほんとうのことを言わなくてはいけないと思うたび、彼女の笑顔をみては、俺は、よけいに、いえなくなった。俺はただ、に嫌われてしまうことだけがこわくて、しかたなかった。……けど、ほら……、わるいことっていうのは、できないもんで。そうやって俺がぐずぐずしているうちに、とうとう出発の前日になってしまって、それでも俺はどうにも決心が出来なかった。けど、日付が変わった真夜中になって、せめて、本当のことを彼女に話して、思い切り振られた方がいいと思った。俺にとっても、彼女にとっても。それで、その5、6時間後には飛行機の中だっていうのに、身一つで彼女に逢いにいって、彼女に、自分がマフィアであることを、話して……、俺は振られる気満々で、嫌われて、憎まれるものだと思っていたのに、彼女は……、俺の、は、最近元気がなかった理由はそれだったのね、てっきり、わたしのことを嫌いになってしまったんじゃないかと、ずっと不安だったって、そう、言って、泣いた。そうしたら、もう手放せるわけなくて、その日、も無理矢理イタリアに連れて来てしまって。……もちろん荷物なんてまとめている時間なんてなかったから、身一つで。……今思えばほんと、俺も彼女も無茶を……、 って、そういう話じゃなくて、うちの奥さんの話……って、!なんで泣いて……っ!! ・ ・ ・ ええと、すみません、うちの妻の話をするはずが、なんだか自分の話をしてしまって……、それに、その、妻が泣き出したりと、ええと、んん、ほんと、すみません。えー、気を取り直して、妻の話を、と思ったのですが、ふふ、みなさんも今ご自分の目でご覧になったとおり、うちの奥さん、恥ずかしがり屋の感動屋さんなので、どうか勘弁してもらえると助かります。とにかく、今日は俺達夫婦のために、こうして集まって下さってありがとうございます。さぁ、それじゃあ改めて紹介させてください。このかわいいひとが、 |