きみは、こんなことを思ってる俺を知ったら、まるで子供みたいね、と笑ってくれるだろうか。 それとも、そんなことではいけないと、怒るだろうか。 きみはいつも、魔法使いみたいに俺を色んな方法で驚かせるから、全く、想像もつかないよ。 もしかしたら、泣いてしまったりするんだろうか。 もしそうだったなら、その理由はなんだろうね。 やっぱり、想像さえ、出来ないや。 でも、きみがくれるサプライズはどんな時も、不思議で、すてきで、楽しくて、あったかくて。 俺は本当に子供みたいに、そのことだけに、ただただ喜んでしまうんだよ。 「綱吉、今日はとっても素敵な贈り物があるのよ」 「今日も、だろ?はいつも、俺に素敵なものをくれるじゃないか。それで、今日は何をくれるの?」 「今日のはとびっきり素敵よ。今日は、綱吉に世界をあげる」 「……せ、かい?」 「そう、世界。なんでも綱吉の思い通りになる、綱吉だけの世界」 それはさすがに、きみでも無理だろう。 そう言いかけて、言葉を飲み込む。 いいや、きみは魔法使い。 そうだね、きみがそう言うなら、今きみは俺に、俺だけの世界を与えてくれるんだろうね。 さて、今日はどんな素敵なサプライズをくれると言うの? なんでも俺の思い通りになる世界、なんて、一体どうやって? この胸の高鳴りは、幼い日々に置いてきたはずの好奇心で、童心。 じっときみの瞳を見つめれば、きみは本当に魔法使いみたいに、わらった。 そして、俺の両手くらいの真っ白な箱を取り出して、言った。 赤いリボンのかかっているそれは、 「開けてみて」 「……、わ、これ、」 「ふふっ、素敵でしょう?綱吉の世界よ」 箱の中身は、真っ白な地球儀だった。 いや、でも真っ白で何も書かれていないんだから、これは地球じゃないのかもしれない。 球体に、軸、球体に指を滑らせれば、くるくると回る。 それは俺の知っている地球儀によく似ていて、だから、そうじゃないかと思ったんだけれど。 なんて、言えばいいんだろうか。 魔法使いをちらりと見ると、たのしそうに笑っている。 もう一度、白い、軸のある、指を滑らせればくるくる回る球体を見る。 白い球体は、光を受けてきらきら光る。 光の加減で、虹色に色を放っているところもある。 きれい、だ。 でも、これは? 「この世界は、綱吉だけのものよ。だから、どんな島を作ろうと、どんな生き物を住まわせようと、自由」 「……俺の、せかい、」 「なんでも綱吉の思うようにしていいの。なんでもよ」 「……、きみって人は、ほんと……っふふ、すごい、すごいや、……俺の、世界、」 気に入ったかどうかなんて、そんなこと決まってるだろう。 こんなに素晴らしい贈り物、他にない! きみはいつも俺を驚かせて、その度に俺の思う上の上をいくから、同じ台詞をもう何度も聞いているかもしれないけれど、言わせてほしい。 俺だけの、世界。 土地も、生き物も、ぜんぶ俺が作れて、天候も、時間の流れも、ぜんぶ俺の思い通り。 それならやっぱり、楽園には妖精とか、お姫様とかが必要だ。 とびっきりの美女が。 俺の世界なら、俺はかみさまだもの、きみを俺の世界に住まわせること、出来るよね? 真っ白な世界、好きなように創造できると言うなら、俺ときみのふたりで、ふたりだけの楽園をつくってしまおうよ。 きみは魔法使い、俺は神様。 出来ないことなんて、 |